前の席のチェックシャツの少年を馬鹿にするチャラ男
「ああいうやつ、成績はいいんだろうけど絶対彼女いないよな。あんなにはなりたくないわ」
悪口を言われているのは、前の方に座っているチェックシャツの少年。
「いや、勝手に決めんなよ!」とぼくは思いました。確かに彼女の子の手を握ったことなさそうだけど。
もしかしたら、彼は夜はすごかったりする可能性はあるわけです。
これは授業の最中に聞こえた会話。声の主は後ろの方に座っているチャラそうな男。もちろん授業中に関係ないことをしゃべっているくらいだから、話は聞いてないんでしょう。
なぜチャラ男はチェックシャツの少年を勝手な想像で馬鹿にするのでしょうか。
その答えは「チャラ男は内心チェック男に劣等感を抱いているが、それを受け入れたくないがために勝手に自分より劣っている点を想像(創造)したということです。
今回は以下のように仮定して説明をします。ぼくも決めつけているということになりますが。
チャラ男
- ややイケメン
- 成績は悪く不真面目
- 彼女いて、飲み会しょっちゅう、友達たくさん
チェック男
- イケメンではない
- 前の方で真面目に授業を受けている
- ユ○クロのチェックシャツ
勝手に決めつけている
チャラ男とチェック男は面識はありません。
ですからチャラ男が知りうる情報は「イケメンではない」「前の方で真面目に授業を受けている」「ユニ○ロチェックシャツを着ている」ことしかわからないわけです。
これらの情報から、チェック男に彼女がいないということは断定できません。
なんとなく察することはできるけど……できません。
つまりチャラ男は、勝手な想像でチェック男を馬鹿にしていることになります。
なぜ勝手な想像で馬鹿にするのか
実は劣等感を抱いている
チャラ男たちは、実はチェック男に対して劣等感を抱いているのでしょう。
人は自分独自の価値観が確立できていない場合、一般的な社会的評価で自分の価値をはかろうとします。
この場合「真面目」と「不真面目」という社会的評価で比較しますから、真面目であるチェック男の方が勝ります。
だからチャラ男たち、実はチェック男に対して劣等感を抱いているのです。
劣っていることを認めたら自分を損なうから馬鹿にする
ですがまさが自分がチェック男よりも劣ってるだなんて、チャラ男は認めるわけにはいきません。
彼らにもプライドがありますし、なにより自分の人生がチェック男よりもくだらないものだなんて思いたくもないでしょう。
そこでチェック男の、他の社会的評価を下げることで自分たちを優位に立たせようとします。
そう彼女がいるかいないかです!
「彼女がいるかいないかなんて大したことないさ」と言う人もいるでしょうが、大学生とくにチャラ男にとっては死活問題。重要な社会的評価基準だといえるでしょう。
「ああいうやつ、成績はいいんだろうけど絶対彼女いないよな。あんなにはなりたくないわ」
このセリフは「チャラ男は不真面目だからチェック男に負けている」けれども「チェック男は彼女がいないだろう」から俺らの勝ちだ! という心の動きがあったと推測されるのです。
チャラ男たちにとっては真面目であることよりも彼女がいることの方が大切です(ぼくも)。
勝手な想像で馬鹿にする理由
なぜチャラ男たちは勝手な想像でチェック男を馬鹿にしたかというと、
- 「真面目」という社会的評価基準ではチャラ男は劣っている
- チャラ男たちはチェック男に実は劣等感抱いている
- しかし劣っていることを認めたくないチャラ男は、チェック男の劣っている点を想像する
- チェック男は彼女がいないから、自分よりも劣っていると考える
という一連の心の流れがあったと推測できます。もちろんほぼ無意識でしょうけど。
これは一種の防衛本能のようなものです。どの人にも備わっています。上には上がいるといいますが、それを本当に受け入れらないような人間がいたら精神が崩壊してしまうでしょうから。
他にもよくある勝手な想像で馬鹿にする例
具体的な例
こういった社会的評価は高いけど、○○が劣っているというパターンはたくさん存在します。
よく聞きませんでしょうか?
- ルックスがいいやつは性格が悪い
- 学歴がいいやつは頭だけで使えない
- 年収はいいけどあいつは金だけだ、心が廃れてる
- PVが多いブログは書きたいことを書いてない
- チャラいやつは成績が悪い
今回はチェック男の味方ぽい感じでしたけど、実際は逆のパターンもありますね。
女の子の手も握ったことないけど、勉強だけはとにかく真面目にやってきて自信があるチェック男が、彼女がいていつも不真面目なチャラ男に勉強でも負けていると知ったらもうショックでしょう。
だったら関わらずに、勝手な想像で成績悪いんだろうなと思ってるほうが精神的に安定すると考えられます。
全部何の根拠もない
先ほどあげた例ですが、全部一部の事例だけを取り上げて、大した根拠もないのに言われていることです。
正しいときもあれば、間違っていることもあります。
ようするにどれも因果関係はまったくありません。
ルックスがよくても性格がいいやつはいるし、もちろん性格が悪いやつもいる。学歴がよくて使えるやつもいれば使えないやつもいる。PVのあるブログでも本人がめっちゃ楽しんで書いていることもある。
そういうこともあるし、そうじゃないこともあるんです。
でも、世間には先ほどあげたようなレッテルを貼りたがる人がいます。
だって自分の存在価値を損なってしまうから。
自分の価値観を確立した人は強い
こういった勝手な想像を必要としない人は、自分の価値観を確立した人です。
こういう人は本当に強く、周囲に惑わされずに自分の人生を生きていくことができます。
- 年収150万で独身だけど幸せそうにしてる人
- ほとんどモノを持っていないのに幸せそうな人
- 東京から田舎に仕事の拠点を移したけど充実している人
こういう人あなたの身の回りにいませんか?
年収150万も、モノを持っていないことも、東京から田舎に仕事の拠点を移すことも、世間や社会的評価基準から見れば劣っているとみなされることかもしれません。
ですが、彼らは劣等感を抱いていません。
なぜなら自分はこうして生きていくことがベストだという価値観を確立しているからです。
そこに他人にどう思われるかという社会的評価基準は存在していません。
自分の価値観を確立した人は強いですよ。
誰に何を言われようと自分の人生を力強く突き進み、自分らしい幸せを手にします。
チャラ男「俺は勉強や他の男なんてどうでもいいぜ、そこに女がいればな、ぐはは」
チェック男「僕は彼女なんていなくてもいいし、他の人に彼女がいても気にしない。世界の真理を解明することさえできれば、ぐはは」
こんな感じですかね?
今日の話は、チャラ男がチェック男を勝手な想像で馬鹿にしているのは、チャラ男がチェック男よりも劣っていることを認めないため。
自分の価値観を確立するとこういったことをしないで平気だよという内容でした。