「自分は論理的な人間」と言う人は致命的な勘違いをしている

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人間は仕事においても、人生においても論理的であろうとします。感情的に行動したり、意思決定したりすることは望ましくないと考えられているからです。

それゆえに「自分は感情的にならないようにしよう」と考えることによって、いつしか「自分は感情を排除して物事を決められている」「自分は感情と論理を切り離すことができる」と自認するようになってしまいます。

しかし、心理学などの学問で、人間は感情的で、感情に極めて支配されやすいと当たり前のように認知されています。安易に「自分は論理的な人間だ」といってしまう人は「人間は感情に支配されやすい生き物」という事実を知らないのです。

ではなぜ自分は論理的な人間だと考える人がいるのでしょうか? 感情だけで意思決定をすることは間違っていることは誰でも知っています。本質的に論理的な人間にはどうすればいいのでしょうか?

人間は感情に支配されやすい生き物である

人間は無自覚に感情に支配されていて、それを論理的に考えた結果だと思いこんでしまう性質があります。少し取り上げるだけでも下記のようなケースがあります。

  • 長い間続けていることは自分にとって重要なことであると思いこむ
  • 客観的に見ると大したことのない問題なのに、クヨクヨとずっと悩んでしまう
  • 収入は少ないが仕事を続けているなど不合理な行動をしているときに、自分はこの仕事にやりがいを感じているからだと思いこむ
  • 株の売買をしていて、早く売って損を確定させたほうが被害は少なくなるのに、損を確定させることを避ける
  • 仕事の一部の気に入らないことにフォーカスして転職したいと考えるが、総合的に考えると前職に留まっていたほうがよい

つまり、「自分は感情に支配されない論理的な人間である」と主張する人は、人間は感情的な生き物であるという科学的な”論理”と矛盾する問題を抱えていることになります。

なぜ自分は論理的であると勘違いしてしまうのか

人間は感情に支配されやすいのだとして、なぜそれに気づけないのか。例えば、無意識に自分を言い聞かせるという行為があげられます。

長い間なにを続けている場合、それに費やしてきたこれまでの時間を無駄だと思いたくないために「○○をやってきたことで友達が増えた、スキルが身についた」などと考えます。

しかし、実際には他のことをやっていたとしても、友達は増えただろうし、他のスキルが身についたかもしれません。

人間は自分にとって都合のよい結論を出すために、その理由・情報を無意識に集めてしまい、その反証を行わない傾向があります(確証バイアス)

確証バイアスがかかっていたとしても、「○○で、○○だから自分のやってきたことは正しい」と少なくとも論理として成立しないわけではない。これが自分は論理的であると勘違いしてしまう理由です。

論理的な人間になるにはどうすればいいのか

世の中には論理的だと言われる人たちがいます。そうした人たちは感情に支配されず、正しい意思決定をしているからこそ成功を収めているのです。だとすると、人間は感情的で論理的になれないという主張と矛盾します。

  • 「人間は感情的な生き物である」
  • 「論理的な人間は存在する」

この2つの事実を踏まえたうえで、論理的な人間になるためのアプローチは自分が感情に支配されやすいことを認めたうえで、常に自分が感情に支配されていないかを意識していくことです。

意思決定をするとき、行動をするときに自分は感情的になっていないだろうかということを常に意識し続けます。具体的には、よくあるバイアスにかかっていないかを疑ったり、友人や仕事仲間に「客観的にみてどうかな?」と聞いてみたりします。

自分は感情的だと受け入れることができれば、バイアスにかかっているという事実や、周囲からの批判を素直に受け入れることができるようになるでしょう。

これはクリティカル・シンキング(批判的思考)の考え方に似ています。クリティカル・シンキングはその結論は本当に正しいだろうか、他に考えられていない要素はないだろうかなどと、自分の結論に対して批判できないか考えます。

論理的な人間になるためのアプローチは勘違いしやすい

論理的な人間になるためには感情を排除しなければいけない

論理的な人間になるためには自分が感情的な人間であることを受け入れて、常に自分が感情に支配されていないかを意識していかなければならない

本当に論理的な人間は、感情に対する考え方が違います。

自分が感情的な人間であること、間違いを犯すことのある人間であること。これを生活や仕事の場で受け入れていくことは難しいことです。自尊心がこれを邪魔することは往々にしてあるでしょう。

だからこそ、論理的な人間になることは難しいし、なれたときには差別化要因として効果を発揮するのです。

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