成長できない人は失敗を「外部要因」のせいにする

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上手くいかなかった、失敗してしまったというとき、その理由を内部要因・外部要因という二つにわけることができます。

そういうとき、成長できない人はどんな失敗であっても、外部要因のせいにして、自分自身には問題がないと考える。

外部要因のせいにするほうが精神的な負担は少ないですし、ポジティブ思考だともいえるでしょう。

しかし、失敗をしてしまった本当の理由から目をそらしてしまっているようでは、成長することはできないといえます。

今回は内部要因・外部要因という概念を用いて、成長できない人の考え方というお話を。

内部要因と外部要因

内部要因はなにか結果が出たときに、「これは自分の能力のおかげだ」「これはぼくの判断が悪かった」と原因が自分自身にあると考えることとしましょう。

逆に外部要因はなにか結果が出たときに、「今日は運が良かった」「こんな社会だからうまくいかないんだ」と原因が自分の外にあると考えることということですね。

要するに内部要因は自分のおかげ、自分のせいにする。外部要因は他人のおかげ、他人のせいにするということともいえるでしょう。

一般的な人の考え方は「成功=内部要因」「失敗=外部要因」

ほとんどの人は、上手くいったときは内部要因によるものだと考えますし、上手くいかなかったときは外部要因によるものだと考えるものです

上手くいったのは俺のおかげ。失敗したのはあいつのせいという具合ですね。

これはごく自然なことで、ある学者によると企業の経営成績の報告でさえこうした傾向が見られるといいます。

上手くいかないときは外部要因、つまり人や周囲の環境のせいにすると聞くと、よくない、現実から目を逸らしているという印象を抱きますが、悪いことばかりではありません。

「失敗=外部要因」はポジティブ思考である

失敗したときは誰でも落ち込むものですが、その失敗の原因が外部にあると考えることができれば、少しは気が楽になりますよね

よく失敗した人を励ますときに「今回は運が悪かったな」という言葉をかけることもあるでしょう。

失敗したときに外部要因に原因があると考えることは、ある意味自分の心を守る行為だといえるのです。

これから「失敗=外部要因」という考え方をし過ぎると成長できないという話をしますが、一方でこの考え方を否定し過ぎると精神的に辛い思いをするかもしれないことを覚えておいてください

事実から目をそらさないようにするべき

先ほども書いたように、人は上手くいったときは自分のおかげ、上手くいかなかったときは周りのせいと考えたがる傾向があります。

しかし、それは事実とは関係がなく、ただ人がそう思いたいということだけです

もし、内部要因が原因で失敗したのに、失敗した人が「これは外部要因が原因だ」と考えていたら、その人は成長できるでしょうか

遅刻した原因は自己管理のできていない自分自身にあるのに、「今日は天気が悪かったから遅刻した」と考えているようでは、また遅刻してしまうに違いない。

こんな具合で、自分の心を守るために人は事実から目を逸らすことがありますが、それを受け入れすぎている人は成長できません。

成長できる人になるために

人にはそういう傾向があるんだなと意識する

もし自分が失敗してしまったときは「外部要因のせいにしていないかな」と考えてみるといいでしょう。

そう考えるだけで、本当の原因は内部要因にあるんじゃないのかと意識することができるかもしれません。

ただし、ぼくが言いたいのは「失敗したときは自分が原因にあると考えろ」ということではなく、「自分の成長のためにも事実を出来る限り客観的に捉えて正解を見つけ出そう」ということです。

 
失敗したときに、なにが原因なのかを正しく認識しなくては改善することはできません。

その原因を探すときに、人は「失敗は外部要因にある」と考えがちになりますが、その傾向を意識したうえで、本当の原因を見つけ出せる人は成長できる人だといえるでしょう。

 
逆に失敗した理由をとにかく外部要因のせいにする人は、もしかしたら原因は内部要因にあるときも「外部要因にあるんだ」と思い込んでしまっているかもしれません。

このように考えてしまう人は成長できない人だといえます。

他人ではなく、まず自分の中で実践するべき

ぼくもそうなのですが、この考え方をついつい他人に対して言ってしまいがちになります。

お前は失敗の原因が運が悪かったと言ってるけど、それは外部要因に逃げている。本当の原因はお前の行動にあるだろう

しかしこれを直接的に言ってしまうと、相手はひどく傷つけられたと感じてしまい、お互いの関係が悪くなってしまうだけでしょう。

もともとも外部要因に逃げるというのは、その人の精神を守るための行動だからです。

参考:他人を変えるのは厳密に言えば不可能だという話

 
ですから、他人にこの考え方を伝えるときは「人はこう考えやすい傾向がある」「あなたの成長のために言うと……」「確かに外部要因もあるし、それから内部要因もあるんじゃない?」という具合に、出来る限りにソフトに言うといいのかもしれません。

もっとも、ぼくはこんなに冷静に話せませんが……。

 
すぐに実践できるのは、この考え方を自分の中に取り入れることです。

なにか失敗をしてしまったときに、外部要因のせいにしたがる自分の心を抑えて、冷静に内部要因にも原因がないかを考えられれば、成長の機会が生まれるかもしれません。

まとめ

  • 内部要因:自分のおかげ、自分のせいと考える
  • 外部要因:周りのおかげ、周りのせいと考える
  • 人は成功は内部要因のおかげ、失敗は外部要因のせいと考えがち
  • その傾向を意識したうえで、本当の原因を見つけ出せる人が成長できる
  • ただし失敗は外部要因と考えるのは心を守るためであることを忘れてはいけない。両者のバランスが重要
  • この考え方はまず自分の中で実践するのがおすすめ

というわけで、成長できない人は失敗を外部要因のせいにするというお話をしました。

これは経営学のSWOT分析を勉強しているときに思いついたのですが、SWOT分析と関係がある部分もあるかもしれません。

失敗の原因をわざと見逃し続けているのはもったいないなと思いますので、ぜひこの考え方を利用してみてください。

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