リーダーはみんなを引っ張るものだ、細かい指示を必ず出さなければならない、自分がリーダーとして重要な仕事をやらなければならない。
リーダーシップというものをこのように考えている人は非常に多い。状況や時代による部分もありますが、少なくともこの時代の日本においてこのやり方は古いと言わざるを得ません。
今回は、このような「全部やる」リーダーシップのデメリットを、メンバーの視点に絞って説明したいと思います。
メンバーが自分の能力を実感できない
あなたがあらゆる重要な仕事をやることは、メンバーからやりがいのある仕事を奪うことと同じ。人は重要な仕事を任されたとき大きなやりがいを感じるものです。
またリーダーから君に任せたといわれれば、大きな信頼を得ているんだ、自分はそれだけの力を持っているんだと思うことができます。
あなたがなんでもやってしまうのは、この機会を失うことになるということです。
部下のPDCAサイクルがまわらない
本来、自分でなにかを決めて、その結果を受けて、試行錯誤していくという行動は楽しいものです(いわゆるPDCAサイクル的なものですね)。
しかし、リーダーがなんでもやってしまう場合それが行えなくなってしまいます。リーダーに言われたように行動して生まれた結果を、メンバーが自分の出した結果であるとは考えにくいものです。
ですからその結果を受けて試行錯誤していくはずが、上手くいかないことをリーダーのせいにしてしまったり、この結果は自分のせいではないと受け入れなかったりしてしまいます。
これでは、成長のスピードも遅くなってしまいますし、リーダーはあらゆる仕事に頭を割かないといけないので効率も悪いといえます。 メンバーが自己決定感を得ることは非常に重要なことです。
チームの一員であると思えない
リーダーがなんでもやってしまうと、メンバーはある種の申し訳なさを抱いたり、自分がいなくてもどうにかなると社会的手抜きを誘発したりする恐れがあります。
このような状況では本当の意味でチームとして機能しているとはいえません。 チームの仕事はチームで取り組むべきです。
そうすることで、私はチームの一員でチームに必要な存在なんだと感じることができます。チームへの所属意識や連帯感を得るように導くこそが、リーダーの大切な仕事なのです。
さいごに
以上の3つの理由は有能感、自己決定感、連帯感と言い換えることができます。
こうした要素はモチベーションについて考えるときに非常に重要です。
多くの人に言いたいのは、あなたが思っているリーダーシップと、学問的に証明されたリーダーシップは全然違うよということです。
他の分野は経験だけじゃなくて勉強も必要だと考えているのに、リーダーシップはなぜか経験だけで十分だろうと考えている人が多い。
ぜひとも勉強すべきです。導入としては『ザ・リーダーシップ―チームの力を最大限に引き出す秘密』をおすすめします。