会社でも部活でもサークルでもクラスでも、効果的チームをつくりあげることが大きな成功につながることは言うまでもありません。
ではチームワークを発揮する効果的なチームを実現するには、どのような条件が必要なのでしょうか。
今回は絶対に欠かすことのできない明確な目標と価値観を共有することの重要性についてお話します。
これがもっともチームに必要な条件だといって間違いありません。
言われてみればその通りだと思うかもしれませんが、それを実際に実践しているケースは非常にまれです。
まずは知っているか、次に実践しているかを考えながら読んでみるといいでしょう。
目標・価値観が明確で共有されている
明確な目標・価値観
価値観は「どちらが大切かという考え方」と捉えるといいでしょう。
目標と価値観がこれらが明確でなければ、チームワークを発揮するチームはつくれません。
例えば、クラスで合唱祭で歌を歌うときの例で考えてみましょう。
「素晴らしい歌を歌う」という目標では十分に明確であるとはいえません。
男子にとっての「素晴らしい歌」とは「最優秀賞を獲得すること」かもしれませんし、女子にとっては「最高の思い出にすること」かもしれません。
それぞれが違った方向に進んでいては、チームワークを発揮することはできないでしょう。
「最優秀賞を獲得することが何よりの思い出になる」「記録よりも記憶に残る合唱祭にする」といった明確な目標を掲げるとチームはよりチームワークを発揮します。
目標・価値観の共有
明確な目標・価値観を掲げていても、それにみんなが納得していなければ意味がありません。
十分に目標・価値観が共有できていない場合、やはりそれぞれがバラバラの方向に向かってしまいますし、最悪の場合あえて目標・価値観とは正反対の方向へ進もうとする人すら出てきてしまいます。
そのためそれらの共有が大切なのです。
人はそれぞれが多様な価値観を持っているため、目標・価値観を共有することは非常に困難だといえます。
少しでも多くの人たちと目標・価値観を共有するためには、出来る限り多くの人を巻き込んでそれらを策定することが重要です。
多くの人達を巻き込むことで、それぞれの意見を目標・価値観に反映されることができるだけではなく、「これは私たちが決めた目標である」という意識を芽生えさせることができます。
リーダーが一方的に策定した目標では、納得できる可能性が低いうえに上から押し付けられたものと感じるため、メンバー全員で共有することができません。
目標・価値観を全員で決め、全員が納得し共有できる目標・価値観の策定をすることが重要なのです。
目標・価値観が明確で共有されているチームの例
合唱祭の本番直前、目標・価値観が共有されているかいないかで、その様子が大きく変わります。これから示す例は、ぼくが10年以上オーケストラに関わってきたなかでの経験をもとにしています。
「最優秀賞を獲得することが何よりの思い出になる」という目標・価値観を掲げたチームは、本番直前でも練習や最後の確認に取り組みます。
なぜならそれが最優秀賞という目標を達成するために最も必要なことであるし、本番前の記念写真という思い出よりも大切だとみんなが認識しているからです。
「記録よりも記憶に残る合唱祭にする」という目標・価値観を掲げたチームは、本番直前にみんなで集まって集合写真を撮ります。
なぜなら、最優秀賞よりもみんなで思い出を共有することが大切であり、少し緊張した表情での記念写真が重要な思い出になるとみんなが認識しているからです。
このように、目標・価値観が明確で共有されているチームは全員が同じ方向に向かって最適な行動をします。
いわゆるチームがバラバラということには絶対になりません。
目標・価値観が明確でなく共有されていないチームの例
「素晴らしい歌を歌う」という明確でない目標を共有していないチームの例をみてみましょう。
本番直前になると、それぞれがそれぞれの行動をとります。
「素晴らしい歌を歌う」こととは「最優秀賞を獲得すること」と考えている人たちは、やはり本番直前も練習し最後の確認に取り組みます。
「素晴らしい歌を歌う」こととは「最高の思い出にすること」と考えている人たちは、本番直前に何人かで集まって順番に写真を撮りあっています。
もしかしたら、どちらの目標にも価値を見いだせない男子が「歌なんてくだらない」と窓際でたそがれているかもしれません。
さて、本番直前に写真を撮り合っている人たちを欠いた状態で、最後の確認に取り組むことは効果的であるといえるでしょうか。
本番直前に練習している人たちを欠いた状態で、記念写真を撮ったとしてそれが本当によい思い出であるといえるでしょうか。
目標・価値観が明確でなく共有されていないチームは、それぞれがバラバラで、どこをとっても中途半端な成果しか残せません。チームワークは一切発揮されていないといっていいでしょう。
こうしたチームは最優秀賞も獲得できないし、最高の思い出も残せません。
チームワークを発揮するために
チームが一丸となって一つの方向に向かって突き進む、すなわちチームワークを発揮するためには明確な目標・価値観を共有することが大切だという話をしました。
そんなの当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、合唱祭の例のように「よさ気な目標」が掲げられてはいるものの、形だけのものになっているということが非常に多いのです。
よさ気な経営理念やビジョンを掲げたブラック企業などはその典型例です。
あなたのチームは明確な目標・価値観を共有しているでしょうか。そしてそれを全員が実践、実現するために努力しているでしょうか。
目標・価値観があってはじめてチームワークが発揮され、効果的なチームをつくりあげることができるということを忘れていけません。
関連記事