この記事では応用情報技術者試験の勉強法について考察しています。
平成29年度春の試験に合格し、本日、秋の試験が終わりました。
考えもまとまってきたし、キリがいいかなということで。
このあと詳しく説明しますが、ぼくは「文系でありながら、わずかな情報系の経験・商学・経営系の分野が得意・実務未経験(今は経験済み)」というちょっと変わったバックグラウンドがあります。
そういった点から、他の人には書けないようなアドバイスが書けたらと思います。
結論を端的にまとめると、「教科書を読む作業はそこそこにして、午前問題の過去問を解きまくり、基本的な用語・概念を理解したうえで、最後に午後問題をやる」というものになります。
ぼくの合格状況と基本的なプロフィール
試験結果
午前・午後問題も8割を超えました。
午後問題の選択では、技術的要素が比較的薄い、文系が得意とすると思われる分野を選択しました。
ぼくの基本的なプロフィール
大学では商学部で経営を専攻していました。
そのため、午後問題の経営・マネジメント系の分野は得意分野です。
また、文系といいつつも、高校時代は商業高校の情報系の学科で勉強しています。
そのため情報に関わる最低限の知識はありますし、プログラミングも「一応触ったことはある」というレベルです(言語COBOLが主ですが……)。
商業高校出身と言うこともあり、日商簿記2級を取得しています。
応用情報では会計の知識を問う問題がある程度出題される(午後問題の経営戦略など)ため、会計が得意がどうかで攻略の幅が広がります。
高校時代に基本情報技術者試験に合格しています。
しかし、5年以上前のことで、あまりその経験を活かすことはできませんでした。
基本的な戦略と勉強法
午前問題と午後問題の勉強の比率は午前が8割
応用情報技術者試験に合格した先輩からいただいたアドバイスとして、「午前問題を重点的に勉強し、午後問題は最後の仕上げの時期にやる」というものがありました。
そのアドバイスに従い、勉強時間の8割程度は午前問題対策に当てました。
そして、試験の2週間前から午後問題の対策を行いました。
この比率がぼくには非常にハマり、「午後問題解いたことないけど、それなりに解けるぞ!」という状態に。
午前問題の勉強で基本的な用語・概念を押さえたうえで午後問題に望むほうが、はるかに効率的であるということです。
勉強方法は「とにかく問題を解く」
資格の勉強方法は大きくに2つに分けられます。
- 教科書を読んで理解して、問題を解く(もちろんわからなかったら調べる)
- 問題を解いて、わからなかったら調べる
いろいろな資格勉強をしてきましたが、基本的に後者の戦略が間違いないです。
教科書を読むだけで覚えられる系の人や授業でその分野を教わる人などは前者の方法も用いてもいいかもしれません。
しかし、一般人が膨大な範囲の応用情報の内容を普通に教科書を読んで理解しただけで、点数がとれるようにはならないでしょう。
また、応用情報は過去問からの出題が多くありますから、過去問を勉強することは得点をあげるうえで大きな力になります。
そのため、教科書を読んでから問題に取り組むのではなく、最初から問題を解きながらわからない箇所を調べていくという勉強法をおすすめします。
もちろん、最初はすべての問題がわからないでしょうから、実質教科書を読んでいるようなものです。
しかし、それでも過去問に触れながら勉強を進めていくことには大きな意味があると考えます。
午前問題の勉強法
とにかく過去問を8割以上とれるまでやる
全体の8割を占めた午前問題の勉強方法は簡単です。
「応用情報技術者試験ドットコム」の過去問題を過去10回分解き続け、それぞれが8割以上とれるようになるまで繰り返し続けます。
応用情報技術者試験ドットコムはパソコン上で簡単に過去問に取り組むことができ、得点の集計や問題の解説もしてくれます。
スマートフォンでも気軽に使うことができるため、電車のなかなどのスキマ時間にもこれを利用するとよいでしょう。
問題を間違えたり、理解していない部分があれば、サイトの解説や教科書を読んでその分野を勉強していきます。
ちなみに利用した教科書は下記になります。
定番という扱いの本ではない気がしますが、低価格で全体を網羅している教科書で、特に使用していて不足は感じませんでした。
分厚い本ですが、PDFを無料で入手することができるのも魅力です。
とはいえ、この教科書を絶対におすすめするわけではありません。
それぞれにあったものを選ぶとよいでしょう。
最初がとにかくしんどい
この勉強法はとにかく最初がしんどいように思います。
なにも知らない状態で問題をとりあえず解いて、間違えて、よくわからない分野を問題が解ける程度にだけ理解する。
最初はできるようになっている気がしないですし、地道な作業が苦しく感じるでしょう。
しかし、知識が増えて行くにつれて、得点をとれるようになり、知識の点と点が結ばれていく感覚が得られるようになると、一気に調子があがります。
午前問題を理解した後に、午後問題を解いたときの「ぼくでも解けるのか!」という爽快感はなかなかのものです。
ぼくは過去10回分を2~3回解いたあたりで、コンスタントに8割を超えるようになってきました。
1回分で60分から90分かかりますから、それなりの時間をかけてきたように思います。
ちなみに、過去問を過去10回分やるといいましたが、個人の能力や出題傾向に応じて回数は変えていいでしょう。
ぼくは性格的な面から、過去10回分を8割越えを達成することで、安心して試験に臨むことができました。
午後問題の勉強法
午前問題に出るような「用語」や「概念」を理解してから勉強する
前述したように、午前問題を8割以上とれる程度の知識を身につけてから午後問題に取り組むといいでしょう。
午後問題は応用的な知識を問う問題ですから、問題のなかで情報に関する用語がたくさん登場します。
そもそもそれを理解できなければ、時間内に問題を解き、合格することは困難です。
ですから、用語・概念そのものの理解を問う午前問題を先に攻略することが大切になります。
午前をやりつつ、つい午後問題にも手を出してしまうのは、あまりよくないパターンかなと。
もちろん、心配であれば、問題を一通り眺めてみることはよいことでしょう。
使用した教科書は技術評論社の「試験によくでる問題集」
午後問題の勉強で使用した教科書は下記になります。
こちらは比較的定番として扱われることが多い印象ですね。
過去問題よりも、過去問題の傾向を分析してつくられた練習問題を重点的に解きました。
午後問題は過去問が出題されることがないため、午前問題ほど過去問の重要性は高くないと判断しました。
終盤に過去問を一度解いて「こんな感じの問題が出るんだな」という感覚を得る程度でよいと考えます。
この教科書では、午後問題の傾向分析がよく書かれており、まずはそれをじっくりと読むことが効率のよい勉強につながるでしょう。
記述問題を恐れる必要はない
応用情報に合格した先輩から「午後問題は国語の問題だ」というアドバイスをもらいました。
基本情報と応用情報の違いとして記述問題の有無がよくあげられますが、恐れることはないと考えています。
記述式とはいうものの、論文などと異なり、自分の考えや論理的な思考をそれほど求められるものではありません。
基本的には問題のなかから解答にあたる文章を抜き出して、要約して解答に書くだけのものが多いです。
文章を読んで、その意味・論理展開を理解できる程度の読解力があれば、簡単な問題は解くことができると感じました。
勉強をする際には、情報に関する知識以上に、問題文の理解ができているかが求められると考えることをおすすめします。
それから、本番ではわからなくてもとにかく埋めることも大切です。
記述問題の採点基準はそれほど厳密ではないという印象ですから、とにかく書いて、加点がもらえるよう努力するべきでしょう。
選択問題はどれを選ぶべきか
午後問題はセキュリティの問題以外は選択になります。
ぼくは技術的な知識よりもマネジメントの知識を問う問題ばかりを選びました。
「文系は応用情報のほうが受かりやすい」という人もいるくらい、応用情報は文系的な知識でも十分に通用するのです。
そのような選択をした理由は以下になります。
- 【弱み】情報系の知識は高校レベルである
- 【弱み】実務経験がない
- 【強み】経営・マネジメント系が得意分野である
- 【強み】日商簿記2級を持っており、会計の知識がある
「この問題を選ぶべき」というセオリーはないと考えます。
そのため、自分の性質に応じて問題を選ぶとよいでしょう。
情報の知識がある人であれば、なにかしら得意分野があるでしょうし、文系で情報の知識がなにもないということであれば、ぼくのような文系向けの問題が候補になるはずです。
とはいえ、午後問題は4問を選択することになりますが、5~6問は解けるようにしておくとよいでしょう。
得意分野であっても、その年によって妙に難しかったりすることがあります。
そのときに別の分野に逃げられるようにしておくことは欠かせないように思えます。
先ほど紹介した書籍にも「どの問題を選択するべきか」というアドバイスあるので、非常に参考になります。
応用情報技術者試験の勉強法以前の考え方
応用情報技術者試験「も」コツコツ継続できるかがカギ
わかりきった話ですが、結局のところ資格試験はコツコツと勉強を継続できるかで決まります。
努力せずに簡単に合格できる裏技など存在しません。
授業などで強制的にモチベーションを維持してくれる環境があるならともかく、学生や社会人はモチベーションの維持がカギになります。
誰に言われなくても物事を積み重ねていく習慣のある人は有利ですが、それができないぼくのような大半の人間はいかに継続するかが一番難しい(このブログでは主にそういうことを語ってばかりいます)。
スマホでスキマ時間を利用したり、分厚い教科書を持ちあるいたりなど、手の届くところに勉強の機会を設け、努力しやすい環境をつくることをおすすめします。
参考記事:努力しても報われない理由は才能ではなく「意図」がないから
参考記事:目標設定の秘訣はできるかできないか微妙な難易度にすること
なぜ当日に試験を受けに行かなくなってしまうのか
資格試験は申し込んだけれども、当日受けに行かないという人が多い。
なぜか。
それは、受験しようと思えるほど勉強をしていないからだと考えます。
応用情報「起床」試験なんてネタとして扱われることもありますが、まずは「受験しないともったいないと思える程度には勉強すること」が最も大切なことだと言えるでしょう。
まとめ:応用情報技術者試験の勉強法
- 教科書を読むよりも過去問や練習問題を実践形式で解いていく
- 午前問題の勉強に時間の多くを割く
- 午前問題の勉強は最初がとにかくしんどい
- 午後問題の勉強は午前問題で8割をとれるようになってから
- 午後問題は国語の試験。記述問題特別を恐れる必要はない
- 選択問題はバッファを1問は持っておくこと
ぼくが応用情報技術者試験に合格するために行ったこと、考えたことをまとめてきました。
この方法はスキマ時間を活用できるとはいえ、それなりに時間割く必要があると思います。
ぼくが応用情報技術者試験を受けたのは入社して2週間という、社会人といっていいのか微妙な時期です。
だからこそ、時間を割くことができたという面もあります。
そのため、仕事が忙しい社会人の場合は、また違った方法を模索しなければいけない部分があるかもしれません。
また「実務経験があるのは大きい」と、ある程度の経験を積んで感じます。
プログラミングやデータベースなどの最初の辛い時期を比較的に容易に乗り切れるというメリットがあるからです。
応用情報技術者試験ドットコムを活用することは大いに推奨されます。
会員登録をして、達成状況を確認することでモチベーションを保ち、電車の中などでで少しずつ問題を解いていくとよいでしょう。
この記事を読んだ方が応用情報技術者試験に合格することを願っています。