キャリア・アンカーというものをご存じでしょうか。
アメリカの学者、エドガー・シャインによって提唱されたもので、人間が自分のキャリアを選択するとき、最も大切にしたい価値観のことをいいます。
これはキャリア・アンカー診断によって調べることができるのですが、これをやっているなかで「自分はリーダータイプというわけではないのかも」と感じたのです。
キャリア・アンカーの概念を利用して考えると、今まで自分はリーダーをやりたがるタイプだと思っていたけど、求めていたのはリーダーではなく「自律・独立」だったんだという人がいるかもしれません。
- キャリア・アンカー8つのタイプ
- ぼくはあらゆるリーダーをやってきたけど
- なぜ自律・独立の人はリーダーになりたがるのか
- リーダーじゃなくても満足していたとき
- あなたはリーダータイプじゃないのかもしれない
キャリア・アンカー8つのタイプ
キャリア・アンカーには以下の8つのタイプがあります。注目して欲しいのは「自律・独立」です。
自律・独立の人は高度な知識や考え方を身につけ、なにより自律的であることを優先し、規則に縛られることを嫌います。
ぼくはこの「自律・独立」がずば抜けて強いらしく、「おお、的中している」と感じていました。
- 専門・職能別
- 全般管理
- 自律・独立
- 保障・安定
- 起業家的創造性
- 奉仕・社会貢献
- 純粋な挑戦
- 生活様式
ぼくはあらゆるリーダーをやってきたけど
小学生の頃からなぜだか知りませんが、ありとあらゆる「リーダー」をやってきました。
班長から委員長、合唱祭の指揮者、部長、あと応援団長……。名誉生徒会長なんてのもやりました。
だから、必然的に自分はリーダータイプなんだと考えていたわけなのですが、キャリア・アンカー診断をやってみて、実はリーダーになりたいわけじゃないのではと気づいたのです。
なぜ自律・独立の人はリーダーになりたがるのか
ぼくはリーダーになりたいんじゃなくて、自律的に行動したい、つまり自分で意思決定をして行動したいという価値観が強いためにリーダーになったんじゃないかということ。
リーダーであることと、自律・独立的であることは非常によく似ています。
もちろん学校か仕事か、その仕事内容によって差はあるものの、基本的にリーダーは意思決定を行うことができますし、規則にも縛られにくいものです。
だから「自律・独立」の人は無意識のうちにリーダーであるということが心地よいと感じるのではないでしょうか。
しかし、その自律・独立的でありたいという気持ちは、リーダーにならなくても満たすことができます。実際、キャリア・アンカーには「全般管理」というタイプがあり、そちらこそがリーダーに向いているのだとか。
リーダーじゃなくても満足していたとき
思い返せば、リーダーじゃないのに楽しくてしょうがなかった組織がいくつかありました。
そのときはリーダーではないけど、単独で自由に行動させてもらったり、自分の意思で気まぐれに参加したりしていましたから、自律・独立的でいられたということです。
名誉生徒会長だったときもまさにそうで、生徒会を辞めたのに気が向いたときに生徒会室に出向き、成績とかにメリットはないのに仕事を手伝ったりしていました。このときはなんともいえないほど楽しかったものです。
こんなふうに、生徒会を辞めたのに生徒会長(サボり気味)よりも生徒会室にいたものですから、名誉生徒会長なんて肩書きが付けられました。
キャリア・アンカーでは「自律・独立」の人は自由度の高い研究職なども向いているといいますから、かつてのぼくもそれに近い状態だったのでしょう。
あなたはリーダータイプじゃないのかもしれない
たとえリーダーであることを好んでいたとしても、「自律・独立」タイプであった場合、本当に求めているものはリーダーであることではなく、自律的であることかもしれません。これに気づくと、今までとは立ち振る舞いや目標が変わってくるでしょう。
自律・独立的でありたいと思う人がリーダーになったとしても、どこかに違和感が残るのではと考えています。
自分のキャリア形成のあり方が変わってくるかもしれませんし、こうした診断を積極的に受けてみるといいかもしれません。
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