※画像は公式サイトより
AbemaTVとは、Amebaブログなどで有名なサイバーエージェントとテレビ朝日が提供するサービスです。一般的なテレビ番組と同じようにCM広告が流れるため、無料で様々なテレビ番組が視聴できます。
サービスを知っている人の多くは「なぜAmebaTV(アメーバTV)ではなくAbemaTV(アベマTV)なのか」という疑問を持ったのではないでしょうか。
この疑問に対して、いくつかの視点からその理由を考えていきます。
サイバーエージェント社長のブログより
サイバーエージェント藤田晋社長のブログに、この疑問に対する答えが書かれています。
「AbemaTVは、なぜAmebaTVじゃないんですか?」
と何回も聞かれるのですが、正直言って、半分くらい後悔しています。
全く新しいものを創るつもりだったので、10年以上やってきたAmebaではなく新しさがほしたかったことと(原文ママ)、
Amebaの延長であることも伝えたかったことで、あと口コミ効果も狙って、キャラクターのAbemaくんの名前を使いました。
しかし、覚えにくい、発音しにくい、間違えやすいの3点セットで、正直自分でもたまに言い間違えてます。
引用元:AbemaTVの船出とお詫び|渋谷ではたらく社長のアメブロ(改行を編集)
上記の文章からAmebaTV(アメーバTV)ではなくAbemaTV(アベマTV)にした理由が3つあることがわかります。
- 新しさが欲しかったため
- Amebaの延長であることを伝えるため
- 口コミ効果を狙って、キャラクター名を使った
しかし、あくまで公式ブログでの発言ですから、ここには書かれていないような理由もあるのではないでしょうか。
なお、キャラクターのAbemaくんとは彼のこと。
※画像は公式サイトより
AmebaTVという海外のサービス
AmebaTV(アメーバTV)ではなくAbemaTV(アベマTV)にした理由として、同名のサービスが海外に存在していたからというものがあげられます。
子供向けテレビ番組のサービスのようです。
※今はなくなっている模様
ただし、仮に同名称のサービスが海外にあったとしても、日本での商標を取得していないかぎりは問題ないといいます。
同名のサービスである前提で商標やビジネスモデルの侵害を懸念しているが、そもそも同名称ではないため他社の商標侵害にはあたらず、仮に同名称のサービスが海外にあった場合でも、日本での商標を取得していない限りは問題ないと説明している。
引用元:「AbemaTV」(アベマTV)、なぜ「AmebaTV」じゃないの? 藤田社長「正直言って、半分くらい後悔」 – ITmedia NEWS
そのため、商標権の問題があったからAmebaTV(アメーバTV)にできなかったというわけではないようです。
また同名称のサービスはおそらく英語圏、アベマTVは日本とすみ分けができていることから、アメーバTVという名称でもほぼ問題なく区別ができたと推測されます。
とはいえ、同名のサービスが存在することで「後出し」「紛らわしい」と思われる可能性はあったのでしょうか。
ameba.tvというURLの問題
次に同一の名称を避けた理由として、URLという問題があげられます。
URLというのはインターネット上の住所のようなもので、google.comやyahoo.jpがその例です。また、URLは同一のものを取得することはできません。
先ほど紹介した海外のAmebaTV(アメーバTV)のURLは「amebatv.com」です。また「ameba.tv」にアクセスした場合、自動的に「amebatv.com」のページに飛ばされるように設定されています。
http://www.amebatv.com/
http://www.ameba,tv/
URLは同一のものを取得することができませんから、もしサイバーエージェントがAmebaTV(アメーバTV)という名称でサービスをリリースした場合は、「amebatv.jp」というURLくらいしか取得できないでしょう。
AbemaTV(アベマTV)のURLは「abema.tv」。「amebatv.jp」よりもずっと視認性に優れていますよね。
URLがスマートかどうかはサービスの質には関係しませんし、今どき手打ちでURLを入力する人も多くないですから、URL文字列の重要性は低下しているのかもしれません。
しかし「dmm.com」のようにURLをサービス名にして宣伝しているように、AbemaTV(アベマTV)のように名前通りのURL「abema.tv」の方が都合がいいと考えられます。
.tvの意味はテレビではなくツバル
ちなみに.tvというURL(ドメイン)はテレビという意味ではなく.jp(日本)と同じくツバルという国を意味しています。
ツバル国は南太平洋の島国。このドメインの売却によって国連への加盟を果たしたのだとか。
まとめ
「なぜAmebaTV(アメーバTV)ではなくAbemaTV(アベマTV)にしたのか」という疑問に対して、この記事で紹介した仮説は以下の通りです。
- 新しさが欲しかったため
- Amebaの延長であることを伝えるため
- 口コミ効果を狙って、キャラクター名を使った
- 海外にAmebaTV(アメーバTV)というサービスが存在していたから
- ameba.tvというURLを手に入れれることができなかったため
結局のところ、全ての要因を加味したうえでの判断なのでしょう。しかし、個人的には4と5が先に問題してあがり、その後1~3の理由をあげた上でAbemaTV(アベマTV)でもいいんじゃないかという形で決まったのではないかと推測しています。
いずれにせよ、スキマ時間にテレビ広告を見せることができるという意味でAbemaTV(アベマTV)は、Huluなどとはまた違った革命的なサービスであることは間違いありません。
先ほど紹介した藤田社長のブログは以下のように締めくくられています。
それをも乗り越えて圧倒的なものにしてしまえば覚えにくさは関係ないはず。
もともとそこがゴールです。
関係者のみなさん、ハードルをあげてしまってごめんなさい。。
引用元:AbemaTVの船出とお詫び|渋谷ではたらく社長のアメブロ(ただし改行を編集)