今日は「世界にたった1つの自分の長所」を見つける方法をお話します。
こうやってみるとちょっと怪しい雰囲気もあるのですが、決してスピリチュアルなものではなく、どちらかというとビジネス的な考え方です。
怪しい記事を読みたい方は「クラスメイトが僕に宗教の勧誘をしたとき使った14の心理テクニック」をどうぞ。
人間には色々な長所がありますが、どの長所も自分より優れた人はいるものですよね。
足が速いという長所があってもオリンピックに出れる人は限られているし、パソコンが得意といっても本当の天才は次元が違います。
そんな状況の中で、自分だけの長所を見つけるには何をすればいいかというと、「長所を組み合わせる」ということです。
なんてことないシンプルな考え方ですが、個人と個人がつながりやすい情報社会においては非常に効果的です。
というわけで、今回は自分の長所を組み合わせて、世界にたった1つの自分の長所を見つける方法をお話しましょう。
世界にたった1つの自分の長所を見つける方法
ぼくの長所
例として、ぼくの長所を少し極端にしてご紹介します。極端な方がわかりやすいので。
「パソコン」「歴史」「オーケストラ」「ブログ」「作曲」「経営学」「物語」「彼女いる」
「それ長所といえるほどのレベルに達していないだろ」と思われるものもありますが、ここではできるだけ出すといいでしょう。別に周りの友達と比べたら少し得意程度でも全然問題はありません。
今回はわかりやすくするために長所の数を抑えましたが、10個はあげられるといいでしょう。
フリーアナウンサーの八木早希さんもいつぞやの講演会で「自分の長所を10個はあげられるようにしとくといい」と言っていた記憶があります。
ただ、ここで自分の長所をいくつもあげられない人は、まず自分に自信を持つ必要がありますね。人間誰しも長所を持っているとぼくは信じています。
ぼくの特徴
次に特徴も出しておきましょう。こちらは短所ネガティブなものも積極的に出しておきましょう。極端して書いておきます。
「京都在住」「ブサイク」「身長の低い人が好き」
とても極端に書きました。たぶん。これも少なめにしています。
「ブサイク」はちょっと言い過ぎだと願いたいのですが、非常にわかりやすい例にできるので書いておきました。「身長低い人が好き」というのはほんとです。
長所と特徴を自由に組み合わせる
ここからが自分の長所の見つけ方の本題になります。
今まで上げてきた自分の長所と特徴を自由に組み合わせるのです。
世の中に「パソコン」が得意な人はいくらでもいるし、自分より優れているでしょう。「歴史」に詳しい人もいくらでもいるでしょう。
でも「パソコン」が得意で「ブログ」やってる人となると少し人数が減ります。それでもまだ何人もいるでしょう。
「パソコン」が得意で「ブログ」やってて「歴史」に詳しくて「京都在住」の人となるとたいぶ人数が狭まってくるんじゃないでしょうか。
世界にたった1つの自分の長所とは、このように自分の長所と特徴を組み合わせて「この組み合わせの人は他にいないだろう」というもののことを指すのです。
もちろん適当に組み合わせればいいわけではなく、できればそれをなんらかの形で表に出せることが好ましいですね。
ではいくつか例を見ていきましょう。
オーケストラ×歴史オタク
まずはぼくが長年やっているオーケストラと小さい頃から歴史が好きなことをかけあわせました。150人規模のオーケストラに所属していますが、この特徴はぼくだけですね。
オーケストラではたまに「大河ドラマ」を演奏することがあるんですが、そのときテーマになっている歴史上の人物に関してはいくらでも語れます。
音楽は表現をするうえで作曲家の背景や題材についての知識が必要なのですが、大河ドラマの演奏に関しては群を抜いているといっていいでしょう。
これに「ブログ」という長所も組み合わせると以下のような記事が書けます。
オーケストラ×パソコン
オーケストラをやっていると、古い楽譜がすごく見にくいことがあるんです。そんなときにパソコンで楽譜をつくることができると非常に喜ばれます。もちろん音楽の知識もないと楽譜はつくれません。
パソコンで楽譜をつくることができる人は150人中5人くらいですかね。組織にいたら非常に重宝されることがわかりますよね。
パソコン×経営学
大学で経営学を勉強しているので強みだといえますが、レポートを経営学の知識だけで書いては独自性がありません。
そこでパソコンの知識も組み合わせてみます。「チャットワークがもたらした新しい経営の形」なんてレポート書いたら高評価でしょうね。
それからITコンサルタントという仕事も、この2つを組み合わたものだといえます。すでにたくさんいるのであまり特別にはなりませんが。
彼女がいる×ブサイク
これが書きたくてわざわざ特徴にブサイクなんて書いたんですよ。
いつも思うんですが、「イケメンの恋愛術」なんて我々には役に立たないでしょう。
確かに彼らはモテますし、経験豊富ですが、テクニックによるものも大きい人はいますが、やっぱり他の人が持っていないものを持っているからモテるという側面があると思うんです。
福山雅治みたいなイケメンが「すぐに彼女ができるテクニックを教えます」という感じの本は世の中にいくらでもありますが、そんな中で「世界一のブサイクが彼女をつくった方法」なんて出したら売れると思いませんか?
表紙はブサイクな著者本人を無加工で。
小学校の頃の先生の話をよく思い出します。お笑い芸人みたいに、短所を堂々と出して長所に変える人は素晴らしいと言っていたんです。
まさにその典型例のひとつでしょう。
ぼくなら「彼女いる」と「身長小さい人が好き」と「物語」を組み合わせて、「身長差30センチカップルの物語」なんて書いたら面白いかもしれません。エスカレーターに前後で乗ると目線が合うみたいな話を書くんです。
表現手段を持っていると強い
自分の長所や特徴を前面に押し出せる仕事というのはなかなかありません。
ちょうど良い長所を持っている人は、営業トークや事務・会計などでも自分だけの長所を発揮して活躍する人もいますが。例えば「歴史」と「京都在住」でツアーガイドとかもありえるでしょう。
しかし、必ずしもそうした長所や特徴を表に出せるとは限りません。一方で、あらゆる長所や特徴を表に出すことのできる手段があります。それがブログ・作曲・小説などの「表現手段」です。
表現手段があれば、「耳が聞こえない」という特徴だって、自分の長所に変えることができます。
「耳が聞こえない」という特徴を表現する
耳が聞こえないからこそ、その苦難を音楽で表現したのがベートーヴェンです。
表現手段さえあれば、耳が聞こえないことだって表現して、自分の長所として昇華することできるということをベートーヴェンは教えてくれます。
ベートーヴェンの音楽が広くクラシックに興味が無い人にも知れ渡っているのは、彼の楽曲が素晴らしいだけではなく、耳が聞こえないという特徴を持ち合わせていたからでしょう。間違いなく、彼にとって耳が聞こえないことは武器になっていました。
この自分だけの長所の生み出し方を利用していたのが、現代のベートヴェンとも呼ばれていた佐村河内守です。
彼のやり方は許されるものではありませんが、耳が聞こえない人がそれを作曲で表現することが自分だけの長所になると理解していたことは間違いないでしょう。
ある意味、それに協力した新垣氏も理解していたと思います。自分がどんなに良い曲をつくっても売れないと気づいていたのでしょう。
実際、新垣氏が有名になったのは、元ゴーストライターという特徴と優れた作曲能力を組み合わせるようになってからです。
ぼくは「HIROSHIMA」が割と好きです。演奏してみたい。
音楽は組み合わせの長所がたくさんある
音楽は組み合わせの長所がたくさんあります。
歌だけだと勝てないから、歌とダンスを組み合わせたり、かわいい女の子やかっこいい男の子に歌を歌わせたり。
これも見事な組み合わせなんです。
もちろん歌だけで勝負する人もいて、そうした人は圧倒的な力を持っています。でもそれができなくなってすぐに落ち込む必要はなくて、なにかを組み合わせればいいんです。
歌×全身不随
プロレスラーでありながら、全身不随になり、今は歌手としても活動しているハヤブサさんも歌と全身不随とプロレスラーを組み合わせています。
もし歌だけだったらこれほど多くの人には受け入れられなかったでしょう。
歌×クラスにいそうなかわいい女の子
AKB48は「歌×美少女」というところを「歌×クラスにいそうな身近なかわいい女の子」にしたから強かったということもできます。
おニャン子クラブも、アイドルでありながらテスト期間は休んだりという感じで「身近な感じ」を演出したのが強かったんでしょう。美少女が多すぎるからこそ、そういう少し変わった特徴を持っているとウケるんです。
歌だけでも強いのに美少女だった人
たまに歌だけでも勝負できるのに、さらにかわいいなんて人が出てきたりします。そう松田聖子さんですね。
一番活躍していた時代はぼくとは世代が違うので、最初「かわいいアイドル」だと思っていたのですが、信じられないくらい歌が上手いんです。はじめて歌を聞いたときは本当に驚きました。
ブログで自分にしか書けないものを書けといわれる理由
イケダハヤトさんが「ブログを6年書き続けてきてわかった成功法則」で以下のように述べています。
重要なのは「あなたが書くべき記事」を書くことです。それ以外は書く必要ありません。
これは自分にしか書けないものを書きなさいという意味です。自分だけの長所と照らしあわせて、それにふさわしい物をブログで表現しなさいということです。
誰でも書けるものは、だいたいあなたよりも優れている人が書いています。だからこそ、これは自分なら負けないだろうというニッチな場所を狙ったほうがいいんです。
少し前でしたらニッチなものは人の目に触れず、受け入れられにくいものでしたが、今はインターネットが発達しているので必ず受け入れてくれる人が見つかります。
ハンドメイドも自分にしか作れないものを作るべき
BASEとかメルカリなどでハンドメイドの販売が活発になってきています。
ぼくは、これから個人製作の商品が流行すると考えているんです。
そのときに大切なのが、「製作」という長所の他に、自分にしかない特徴や長所を組み合わせること。
オーケストラやってる人が、「合奏中にも物が取り出しやすい使いやすいカバン」をつくったらぼくは買いたくなります。でもこんなニッチな商品大企業は作りません。
子育て中の主婦が、子育て中の人向けに「なんでも片手で取り出せるカバン」をつくったら大人気になります。
ミニマリストの人が「ミニマリスト向けの持ち物シリーズ」なんてつくったら、一部で評判になるでしょう。
個人製作の人は、自分の特徴と長所を組み合わせてそれを製作で「表現」することが強みになるし、それを欲しがる人がたくさんいるんです。
個人はニッチな市場を狙い撃ちして、それを探している人がネットで簡単に見つけられるようになる。こんな時代が実現されつつあります。
長所がありふれたものだと巨大な存在に負ける
ブログでも個人製作でも、やってはいけないのは一般化されたものをつくることです。
ブログなら、iPhone6sの記事を書いても、他のメディアに数でも質でも負けてしまいます。イケダハヤトさんも先ほどの記事で同じことをおっしゃっていますよ。
「iPhone6s発売!購入にあたっての注意点まとめ」なんて記事は、gizmodoあたりに任せておけばいいんです。実際、彼らの方がうまいし速いですよ。
ぼくの記事も30%くらいは誰でも書ける記事かもしれません。実際検索で探されやすいですね……。
ブログ×ガジェット好きな人はたくさんいるので、なかなか勝てません。
個人製作でも大企業が作るようなものをつくっては意味がないと思います。価格でも質でも負けてしまう可能性が高いですから。
自分にしか作れないものをつくるのがいいでしょう。
まとめ
今までの話をまとめてみましょう。
- 自分の長所と特徴を組み合わせることで他にはない自分の長所を生み出せる
- 例えば「オーケストラ×パソコン」「彼女がいる×ブサイク」「作曲×耳が聞こえない」
- ブログや作曲、物語など「表現手段」を持っていると、自分の長所や特徴を表現しやすい
- 音楽業界は「歌×ダンス」「歌×美少女」など組み合わせがたくさん
- だからこそ、ブログや個人製作は自分にしかつくれないものを表現しないといけない
- 個人は大企業がつくるような一般化されたものをつくると負ける
- 他にはない「自分らしさ」を表現することが「世界にたった1つの自分の長所」になる
こんな具合でしょう。
確かに世の中には自分よりすごい人がたくさんいます。「走り」「歌」「歴史」など単体の長所でトップに立つ人は非常に限られています。
しかしながら、本当に自分そっくりで、すべてにおいて自分を上回っている人なんていません。
だからこそ、自分にはずば抜けた長所はないと考えずに、あらゆる自分の要素を組み合わせて「自分だけの長所」で勝負するといいと思います。
ブログをやってる人は、「単体のビッグキーワードよりも複合ワードのほうが上位表示できる」なんて概念と似ている、なんて考えてみるとよりわかりやすいでしょう。
他にはない「自分らしさ」を表現することが「世界にたった1つの自分の長所」になるというお話でした。